ビューティ・コラムcolumn

第5回 老化とストレスについて

皆さんこんにちは。第4回では紫外線対策をしながら皮膚の代謝を上げて、活性酸素を消去する作用のあるビタミンA、Cなどを外用することが、肌の若さを保つ大事なポイントであるということをお話しました。ではスキンケア以外にどのようなことをすれば、若々しいボディと肌が手にはいるのでしょうか?ここでじっくり老化のメカニズムについて考えて見ましょう。老化の原因として大きく2つの学説があります。1つはプログラム説です。これは我々の体の細胞の分裂回数には限りがあって、それを越えて生存することは不可能という説です。その根拠として赤ちゃんの繊維芽細胞は体外で培養すると、約50回分裂することができるという事実があります。そして70?80歳の方から採取した繊維芽細胞は20?30回の分裂をするというデータがあります。もう一つの老化の原因として活性酸素などによるダメージの蓄積説があります。その根拠として体のなかであまり活性酸素を生じないヒトやカメは比較的長寿ですが、大量の活性酸素を生じるマウスやリスは短命であるという事実があげられます。私はこの2つの説の両方とも正しいと思います。すなわちある一定の寿命を持った細胞に各種の活性酸素などのダメージが蓄積していくことで、我々は老化という長い人生の道を歩んで行くのでしょう。残念ながら細胞レベルでの寿命は限られていますが、活性酸素によるダメージを少なくすることで、我々は太く長く生きることが可能になるのではないのでしょうか。ここで私が注目したいのは繊維芽細胞の分裂回数が老人の方でも赤ちゃんの約半分あると言うことです。このことは逆にいえば、肌の寿命にはまだまだ余裕があるのに体内のいろいろなパーツ、たとえば心臓などが故障することによって我々は死を迎えてしまうということになるのでしょう。ここで興味深い実験報告があります。我々の細胞を培養する際に培養液に持続活性型のビタミンCを加えることで、活発な分裂を長い期間維持することが可能であるというデータです。ですから肌だけでなく全身の細胞の代謝を上げて、活性酸素を消去することが可能であれば、我々はみずみずしい肌と引き締まったボディを長い間維持すること、すなわち太く、長く生きることが可能になるのではないのでしょうか?

肌だけでなく全身の細胞にも平均寿命の2倍程度の分裂能はあると思います。紫外線は我々の肌に活性酸素を生じてしまいますが、体内に活性酸素を生じる大きな要因としてストレスがあります。ではストレスを解消するにはどうしたらいいのでしょうか?忙しい現代社会では多くの女性がたくさんのストレスを抱えています。ストレスの原因として一番大きな物が、仕事です。学生時代にはニキビはほとんどできなかったのに、就職したらニキビが増えたという方がたくさんいます。ストレスによる皮膚症状として、毛穴の開いた赤ら顔(脂漏性皮膚炎)、ニキビ、アトピー性皮膚炎、シワ、クマなどがあります。全身症状として便秘、不眠、肩こり、生理不順、そして過食による肥満なども出現します。私ごとで大変恐縮ですが、私は昨年青山ヒフ科クリニックを設立してから、不眠、肩こり、便秘に悩まされました。血圧もどんどん上がってしまいました。また過食による肥満で、昨年の暮れにはなんと体重72kgとなってしまいました。本コラム1、2、3回の写真を撮影をした頃です。この記事を読んで、あるいは患者さんの口コミで全国からたくさんの患者さんが私のもとにやってきます。私はそれらの患者さんの肌をより美しくするために、ない頭を一生懸命振り絞ります。そのためには頭にたくさん血液を送る必要があります。

働く必要のない筋肉や消化管にはあまり血液を送る必要がありません。その結果肩や首筋の筋肉の血流も低下し、肩こりや頭痛そして便秘が出現します。とくに女性では男性に比べて筋力が元々弱いために男性より肩こりや頭痛が起こりやす低下し、肩こりや頭痛そして便秘が出現します。この時交感神経が活発に活動します。この状態が長く続くと、仕事が終わっても交感神経の緊張が取れなくなってしまい、不眠などが出現するわけです。

青山ヒフ科クリニック以前の自由が丘クリニック時代を知る多くの患者さんには”非常にお疲れに見えます、大丈夫ですか?”と逆に心配されてしまいました。私自身はストレスをあまり意識していなかったのですが、昨年暮れの休みに南の島でのんびり毎日を過ごしたところ、不眠、肩こり、便秘などはあっというまにどこかに行ってしまいました。私はストレスを低下させるにはどのような方法があるか真剣に調べてみました。私が見つけた方法は、副交感神経が優位になるような穏やかな運動を、好きな音楽を聞きながら行うということでした。私は元々走るのが好きなので、毎日1時間走りました。読者の方には、毎日軽く汗をかく程度の、自分の好きな運動を20分程度行う事をお勧めします。その結果驚くべきことにあっと言う間に肩こり、便秘はなくなってしまいました。また体重も2ヶ月で63kgまで低下しました。ちょうど本コラム4、5、6回の撮影をした頃です。毎日の運動をするようになってから患者さんには、肌がつやつやになってきたとよく言われるようになりました。久しぶりに受診した患者さんにも若く見えるようになったといわれました。そしてなにより自分で感じるのは、毎日の疲れが嘘のように軽くなった事です。運動後は全身の代謝が上がっています。当然活性酸素も大量に生じています。活性酸素を消去する物質として我々の体内にはビタミンC、E以外にSODやカタラーゼという酵素があります。昔から健康にいいといわれている緑茶や玄米や味噌、そして緑黄色野菜などは活性酸素の消去作用があることがよく知られています。私は運動後には野菜ジュースとSOD作用を持つ健康食品を必ず摂るようにしました。すなわち全身の代謝をあげて活性酸素を消去するようにしたのです。すなわち肌にしていることと全く同じことを全身に行うのが、ストレス、そして老化の防止にベストということです。ここで注意して欲しいのは、運動後に脂っこい食事をして、喫煙するようなことは絶対に避けて欲しいということです。なぜならそれぞれ過酸化脂質や活性酸素という老化を促進する物質を大量に生じてしまい、逆に老化を促進する可能性があるからです。また私は常に腹8分の食事をとるようにしましたが、ダイエットの際の空腹感に悩まされることは全くありませんでした。それは青山ヒフ科クリニックオリジナルのスリミングローションを使用したからです。スリミングローションについては第6回「体脂肪を減らしてスリムなボディを」のコラムで詳しく解説します。