ビューティ・コラムcolumn

第35回 緊急報告:デトックスサプリメントに要注意!!(1/2)

以前アトピー性皮膚炎だった患者さんがいます。

私が、6年以上前に自由が丘クリニックで診療している時には症状がひどかったのです。その後、快方に向かい、最近はまったく症状は出ませんでした。しかしながら、つい最近顔全体や手足がパンパンに腫れ、真っ赤な状態で来院されました(図1)

その方はフリーのライターの方で、数ヶ月まったく休みがない状態です。おそらく過労により一過性にアトピー性皮膚炎が再発したのだろうと推測しました。彼女が帰宅して1時間してから、彼女の友人が来院されました。

その方はいままでアトピー性皮膚炎などはない方なのですが、体中が乾燥して、ベルトにあたるところなどが痒いという症状でした。また顔全体が少しむくんできましたといいます。手のひら、足の裏の汗が多くなり、そこの皮膚が剥けて痒いという症状も出ました。その方は彼女から教えてもらった、デトックスサプリメントをもらってから肌の調子がおかしいといいました。私はすぐにピンときました。デトックスサプリメントは水銀や鉛などの有害な金属を排出する多種類のアミノ酸やアルファリポ酸などを含んでいます。これらの物質すべてが一生懸命、有害な金属イオンだけでなく体にとって大切な金属イオンをも取り囲んで排出してしまったのです。マグネシウムやカルシウムや鉄などのイオンは、肌や体のコンデイションの維持になくてはならないのです。マグネシウム不足になると敏感肌、乾燥肌になるといいましたが、特にアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などを持っている方、乾燥肌の方がこれらの症状を起こしやすいようです。また常にストレスがある方はミネラルが低下する傾向があります。まったく同じサプリメントを摂って問題ないという方もいます。もしデトックスサプリメントを摂り出してから体がむくむ、肌が乾燥しやすいとということがあればそれを止める必要があります。

またどうしても有害な金属イオンを排出したいというのであれば、必須ミネラルのサプリメントをとりながら、デトックスサプリメントをとるようにしてください。彼女に聞いたところ、やはりデトックスサプリメントをとっているとの事でした。彼女は原因判明後、むくんだ皮膚にビタミンC、マグネシウム、カルシウムを注射することで、数時間でむくみはなくなりました。しかしながらカユミはまだ継続しています。肌は一度荒れてしまうと、完全にもとに戻るまで数週間から数ヶ月かります。私がおすすめするのはビタミンCを1日2グラムから3グラムとることです。ビタミンCはニキビやシミなどの肌のトラブルすべてを解決するだけでなく、ストレスの軽減作用を持っています。またビタミンCは体の中では解離型といって、マイナスに荷電しています。これがプラスに荷電した金属を取り囲んで、排出するという穏やかな、キレーティング作用を持っています(図2)

ビタミンCの利点は静脈注射で投与しても必須ミネラルの不足をきたさないとビタミンCの利点は静脈注射で投与しても必須ミネラルの不足をきたさないと言うことです。乾燥肌を直し、むくみを改善します。デトックスとは解毒という意味です。そしてキレーションとは金属イオンを取り囲んで、別の化合物を形成して、それを排出するという意味を持っています。またビタミンCやタチオンなどのアミノ酸、そしてビタミンB、ビタミンEなども摂取すること、そうすれば、有害な金属の排出を促進できます。よっぽど有害な金属を摂取した環境にいない限り、デトックスサプリメントをとる必要はありません。タチオンは穏やかなキレーティング作用を持つだけでなく、ビタミンCの酸化を防止します。ビタミンBもビタミンCの酸化を防止します。ビタミンEはビタミンC同様に活性酸素を消去します。すなわち、マルチビタミン、マルチミネラルを取ることが健康の維持だけでなく、デトックス作用も発揮するのです。