ビューティ・コラムcolumn

第62回 かゆいニキビと脂漏性皮膚炎

皮脂の分泌を促進するホルモンのひとつとしてサブスタンスPという物質が最近明らかになりました。サブスタンスPはストレスやイライラがあると交感神経から分泌され、皮脂の分泌を増加させるだけでなく、ヒスタミンという物質を真皮で増加させます。その結果、ニキビや肌荒れ、乾燥や痒みも生じてくるのです。最近ニキビが痒くなってきた、地肌が痒くなってきたという人はサブスタンスPというヒスタミン物質が原因となっているのです。

サブスタンスPの分泌が増加されるからくりがあります。それは、ストレスイライラが継続する皮脂線は、神経成長因子というホルモンを分泌して交感神経を活性化しサブスタンスPの分泌を増加させてしまうのです。結果、皮脂線の分泌は増大し、ニキビや肌荒れは悪化します。サブスタンスPが増加されたままだと、ほんの小さな刺激(ストレス)でもすぐニキビができ、古いニキビが残ったり、繰り返したり、治りづらくなったりするのです。また、ストレスが強くなると男性ホルモンも急増しますので、顔だけでなく、フェイスラインや胸元など男性でいうひげや体毛が生えやすいところにストレスニキビや肌荒れがおきるのです。

こちらの患者様は胸にカユミを伴うニキビが治らず来院されました。ニキビ周囲の肌が淡い茶色になり、肌荒れも起こしていました。

さらにTゾーンから口周囲にカユミを伴う赤味とニキビが治らず来院された患者様です。主にカユミ、赤味、カサツキなどを伴う皮膚炎を脂漏性皮膚炎といいますが、ニキビと共に出現していました。お二人とも仕事や子育てで非常に多忙で強いストレスを感じ、サブスタンスPが増加してしまったのでしょう。

下の患者様は、Tゾーンから口周囲が赤く、カサカサになりカユミが出てきたと言って来院されました。こちらの患者様も仕事が忙しく、強いストレスを抱えており、サブスタンスPが増加されてしまったのでしょう。脂漏性皮膚炎でしたが、サブスタンスPをなくすトリートメントで治りました。もちろんステロイドは使用しておりません。つまりニキビや脂漏性皮膚炎を治すポイントはサブスタンスPを減らすことなのです。