ビューティ・コラムcolumn

第112回 肌の透明感とその実現について

化粧品の開発者の方を対象にした雑誌に肌の透明感について解説した文章(論文)を書きました。青山ヒフ科クリニックを受診される方や一般の方々にも内容をしっていただきたくて、大幅に加筆して必要な図を加えました。最後には関連文献も載せました。肌の透明感の理解の一助になれば幸いです。やや難解な表現もありますのでご容赦ください。

初めに最近、透明感のある肌という表現がされています。透明感のある肌とはどのような状態か解説します。化粧品工業会によれば、皮膚の透明感とは”皮膚がくもりなく透き通ったように見える状態”と定義されています。私が透明感のある肌と感じるのは、肌が光を反射して光沢感があり輝いている状態です。 そして赤みがなく、くすみや褐色がなく、透き通るような白さを持ち、みずみずしい状態です。皮膚を光学的に測定すると、キメが細かく深く、角質水分量が多いと透明感は増加します。 透明感のある肌を実現するためには代謝を促進してキメを細かくする、毛穴縮小、美白、炎症抑制(赤み低下)、 乾燥肌による落屑抑制、角質水分増加をすればいいのです。透明感のある皮膚を実現するための改善すべき項目について解説していきます。私は皮膚の代謝促進、炎症抑制と共に毛穴縮小が透明感実現に大きく関与していると感じています。皮脂分泌が増加すると毛穴が開き、キメの程度を低下させ、増加した皮脂は内部で炎症を起こし、赤みを増加させ、皮膚表面では乱反射を増加させるからです。ビタミンABCやグルタチオン、トラネキサム酸、甘草エキス(リコカルコンA)などが透明感のある肌を実現します。

上の図の下に若い代謝の盛んな皮膚を示します。横に広がった皮膚を一定の幅に収めるために表皮は波打っています。上の部分が皮丘であり、溝の部分が皮溝です。上には代謝の低下した皮膚を示します。横に広がっていないで皮膚はほとんど波打っていません。代謝の盛んな皮膚ではキメは細かく代謝の低下とともにキメは粗くなります。

上の図は前腕内側の紫外線に当たらない部位のスキンスコープ像です。加齢と共にキメが粗くなってゆくのがわかります。キメを細かくするには代謝を上げるだけでなく、毛穴を縮小させることが非常に大切です。

毛穴の開きが著明になるとしばしば毛穴の出口がすり鉢状にへこみ、乱反射の原因となるだけでなく、周囲の表皮を毛穴のほうに引っ張り、波状を呈しキメを形成している皮膚を毛穴方向に牽引して、キメの程度を縮小させてしまうからです。透明感のある皮膚の実現のために毛穴縮小はあまり言われていませんが、透明感のある皮膚の実現には毛穴縮小は非常に重要なのです。

上は10代の女性の50倍に拡大したスキンスコープ像です。毛穴が拡大していると同時にキメが低下しています。大量の皮脂による反射光は多いのですが違う方向に反射しています。皮脂の過剰分泌により光沢も増加しています。10代であれば代謝が盛んでキメも細かくなるはずですが、大きくなった毛穴が代謝のキメに対する効果を打ち消しています。赤みも強く透明感のある皮膚ではありません。

上の図は20代の軽度皮脂分泌が亢進している女性に、ビタミンCと男性ホルモンの抑制作用を持つ甘草エキスを1か月外用した結果です。赤みが低下するとともにキメが細かくなっています。ビタミンCもリコカルコンAも皮脂分泌抑制作用を持っています。ビタミンCは代謝促進作用を発揮します。ビタミンCとリコカルコンAは青山ヒフ科クリニックのアンチアクネローション、毛穴レスローション、毛穴レス美白ローションに配合されています。

美白クスミがあり、シミが散在すると透明感のある皮膚とは言えません。クスミの原因としてはメラニンの量の増加以外に、皮膚の乱反射が多いことにも注意が必要です。美白剤はチロジナーゼの活性を抑制したり、メラノサイトからケラチノサイトへの移送を抑制するなどの機序がありますが、美白を徹底するには皮膚の眼に見えない慢性炎症を抑える事も大切です。慢性炎症は皮膚を含む全身で起こっていますが、炎症はメラニン産生だけでなくシワやたるみも増加させます。ビタミンC、グルタチオンは共にメラニン産生を抑制します。グルタチオンはメラニン産生の律速酵素となるチロジナーゼやL-DOPAに結合してその活性を抑制してメラニン産生を抑制します。メラニン産生の段階の中間体であるdopaquinoneはSH基を持つグルタチオンの存在下では黒褐色のeumelaninではなく赤から黄色のpheomelanin となります2)。グルタチオンは産生されたメラニンの凝集を抑制することも報告されています3)。 ビタミンCはチロジナーゼの活性を抑制します4)。ビタミンB3はメラノサイトからケラチノサイトへのメラノゾームの移送を抑制して美白を実現します5)。ビタミンB6はチロジナーゼの発現を抑制してメラニン産生を抑制します6)。レチノールがαMSHによるメラノーマ細胞のチロジナーゼの発現の増加を濃度依存性に抑制することが報告されています7)。ストレスを人は炎症として感知し、クスミを増加して肌の透明感を抑制するが、ストレスや炎症により視床下部-脳下垂体-副腎皮質よりなるHPA軸が活性化され全身や皮膚におけるproopiomelanocortin (POMC)が増加します 8)。POMCは皮膚においてはケラチノサイトなどから分泌され、肥満細胞が分泌するtryptaseという蛋白分解酵素によりprocessing(切断) されてαMSHとなります9),肥満細胞は露光部に多く存在する傾向があり10)、紫外線などによる炎症の際にtryptaseを放出することを考慮するとレチノールはストレスや紫外線による炎症によるαMSHを介した皮膚のメラニン産生を抑制することが示唆されます。

代謝促進と活性酸素の消去と赤み低下代謝を上げるとそれに伴い、活性酸素の発生が増加します。外用剤や内服薬で代謝を上げる際に大切なことは、活性酸素の消去能も積極的に増加させることです。体内で発生する活性酸素の90%以上はATPという高エネルギーの生産部位であるミトコンドリアの電子伝達系において、電子の受け渡しの機械的なエラーにより生じるとされています。ビタミンCは活性酸素を消去すると酸化型のビタミンCになります。酸化したビタミンCを還元するのはグルタチオンというアミノ酸です。グルタチオンは皮膚やミトコンドリアをはじめとして全身でビタミンCと共に高濃度存在してお互いの還元作用を高めあっているのです。ビタミンCを還元して酸化したグルタチオンを還元するのはnicotinamide adenine dinucleotide phosphate (NADPH)という電子供与体です。

上に示すような連鎖反応でビタミンC、グルタチオン、NADPHは活性酸素を消去します。NADPHの構造の一部はビタミンB3からなり、ビタミンB3投与にてNADPHのレベルは上昇します。このことは外用にて皮膚のNADPH濃度が増加する可能性を示唆します。NADPHの産生は解糖系であるペントースリン酸回路とミトコンドリアのクエン酸回路で主に行われます。ペントースリン酸回路の主な目的はNADPHを産生することです。クエン酸回路でNADPHを産生するのはリンゴ酸脱水素酵素などの脱水素酵素です。これらの所見はミトコンドリアの代謝が上がると、クエン酸回路の脱水素酵素の活性が増加して、酸化還元連鎖反応の最後に登場するNADPHの産生が増加して活性酸素の消去能が自動的に増加することを示します。運動をしてミトコンドリアにおける活性酸素の産生が増加しても、酸化ストレスにならずに生活できるのも、ミトコンドリアにおける代謝促進に伴い、活性酸素の消去能が自動的に増加するからです。また活性酸素はNrf2という酸化ストレス応答転写因子の活性を上昇させ、Nrf2はNADPHの産生を増加させて活性酸素の消去能を自動的に増加させています。ビタミンABCやグルタチオンはミトコンドリアの代謝を上げるだけでなく、Nrf2を活性化します。Nrf2は炎症を引き起こすサイトカインの発現を抑制し、グルタチオン合成酵素やペントースリン酸回路を活性化してグルタチオンやNADPHの産生を増強して活性酸素の消去能を増加させます11)。またNrf2は人正常メラノサイトにおいてtyrosinase、TRP1というメラニン産生にかかわる酵素の発現を抑制してmelanogenesis(メラニン産生)を負に制御することが報告されています12 )。このことはNrf2が美白実現に貢献することを示しています。ビタミンABCは体内で合成できないので、 代謝を上げる際には体外から経口的あるいは皮膚に直接供給する必要があります。この事実は、代謝促進させる際にはビタミンABCを皮膚にスキンケアやイオン導入などで皮膚に積極的に浸透させることが重要であることを示しています。またグルタチオン合成のためグルタチオンあるいは不足しやすいシステインを皮膚に浸透させることも大切です。外用あるいは導入したグルタチオンは細胞外にてグルタミン酸、システイン、グリシンに分解させてから細胞内に浸透し、細胞内でグルタチオンに合成されます。

ビタミンABCはリン酸化酵素であるAMPKを活性化します13-16 )。AMPKは若返り遺伝子であるサーチュイン遺伝子(SIRT)を活性化します17)。 AMPKやSIRTは転写共役因子であるPGC-1αを活性化し、PGC-1αはミトコンドリアの産生、活性化を促進し、さらに代謝を促進すると共に活性酸素の消去能を増加させます18)。このように代謝と活性酸素の消去は表裏一体の関係にあり、ビタミンABCとグルタチオンはその両方の働きを効率よく増強するのです。肌の透明感を実現するためにAMPKの作用として代謝促進と並ぶ大切な作用は、 脂肪酸合成の律速段階を触媒するacetyl-CoA carboxylase(ACC)を抑制することです14,19)。なぜAMPKがコラーゲンの合成や表皮角化細胞の増殖の増殖を促進してACCを抑制するかについては、AMPKはエネルギーが不足している際に活性化するセンサーであり、生命の維持に必要なものだけを活性化し、そうでないものを抑制するためと考えられています20)。表皮角化細胞の増殖はタイトジャンクションを維持して陸上生活を継続するのに必要であり、コラーゲンの合成は真皮だけでなく血管組織の維持に必須であるのでAMPKにて促進されます。一方皮脂合成に特異的な酵素は存在せず、体内のほかの細胞と同様にACCが皮脂線細胞で皮脂を合成します。皮脂は命の維持には直接関係しないのでAMPKは皮脂合成を抑制すると私は推測しています。AMPKは美しい皮膚、透明感のある皮膚を実現するために、表皮細胞の増殖を促進して、コラーゲン合成も増加させ、皮脂分泌は抑制するという、キイポイントになる物質なのです。AMPK活性化はストレスやアンチエイジングの切り札にもなります。AMPKは毛穴と老化に悩む私たちに神様が与えてくれたギフトですね。

慢性炎症皮膚を含む全身では穏やかな自覚書状のない慢性炎症が常に生じて老化や発がんを促進しています21)。ニキビや脂漏性皮膚炎や酒さなどの赤ら顔では大量の炎症性細胞が皮脂腺周囲に存在しています。正常皮膚でも皮脂腺や血管周囲には炎症性細胞が存在しています。これらの炎症性細胞は血管内皮細胞同士の隙間をすり抜けて血管内から皮膚に遊出してきます。好中球は血管内に存在しているときはself-associated molecular pattern (SAMPS)であるシアル酸を認識しているので、炎症を起こす活性酸素を産生して炎症を起こすことは抑えられています。でも血管外に流出するとシアル酸を認識できなくなり活性酸素の産生を開始することが報告されています22)。すなわち正常皮膚でも血管周囲性に存在する好中球は活性酸素を放出して炎症を起こしていることになります。皮膚の炎症を押さえるには、炎症性細胞がサイトカインや活性酸素を産生するのを抑えるだけでなく、血管透過性を低下させ炎症性細胞の血管外への遊出を抑制することも大切です。ビタミンCは短期的にはリン酸化酵素であるAMPKを活性化して一酸化窒素合成酵素(eNOS)をリン酸化して活性化して一酸化窒素(NO)産生を増加させ13)、長期的にはeNOSの補酵素であるtetrahydrobiopterinを安定化させて増加させNOの合成を促進させます23)。ビタミンCはNOを介して血管内皮細胞に働きかけ、vascular endothelial- cadherin(VE-Cad)を強化して血管透過性を低下させると共に、細胞骨格に作用して内皮細胞を増大させ、血管を拡張させます24)。この際ビタミンCはcAMPを介してexchange protein directly activated by cAMP (Epac)を増加させ、α-tubulinに結合させてVE-Cadを安定化させて透過性を低下させています。この反応にはNOが必須です。血管内皮細胞成長因子(VEGF)、血小板活性化因子(PAF)などはNOを介して血管を拡張させるとともに血管透過性を増加させます。NOを産生させる物質により血管透過性の反応になぜ差が出るのかは、私が調べた限りでは不明です。eNOSは細胞膜に存在していますが、calmodulinが結合して活性化すると細胞内に移動します。細胞内のNOSの分布の差がcAMP-Epac/Rap1 の活性化によるVE-Cadの安定化に影響を及ぼすのではと私は想像しています。ビタミンCは炎症性細胞に直接作用して炎症を抑制するだけでなく、内皮細胞に作用して血管透過性を低下させて炎症を抑制します。皮膚が白く見えるためには、見た目のヘモグロビンの量が低下することが大切です。見た目とは皮膚にヘモグロビンがたくさん存在するけれども、一部のヘモグロビンが外来光を反射している状態のことです。

上の図に示すように、ビタミンCは血管を拡張させてヘモグロビンを含む血流を増加させますが、内皮細胞を大きくして内皮細胞の隙間からヘモグロビンを見えないようにして皮膚の見た目の赤みを直ちに低下させるので、ただちに皮膚の赤みが低下するのではと筆者は想像しています。すなわちビタミンCは内皮細胞の隙間から血管内のヘモグロビンに光があたり、反射することを抑制し瞬時に皮膚の赤みを低下させるのでしょう。そして拡大した末梢血管は、抹消組織により多くの糖質、脂質そして酸素を供給してミトコンドリアの酸化的リン酸化を促進します。ビタミンABC、グルタチオンをイオン導入や電子穿孔法で皮膚に浸透させると速やかに毛穴が閉じ、皮膚の赤みが低下します。これはACCの抑制による皮脂分泌抑制、血管透過性低下による炎症性細胞遊出抑制、炎症性細胞からのサイトカイン産生抑制、活性酸素の消去などによるのです。

透明感のある肌の実現

上は40代の女性で、顔全体にくすみがあり、直径数ミリの色素斑が散在しています(図左)。ビタミンC、トラネキサム酸、カミツレエキスという作用機序が異なり抗炎症作用を持つ美白剤とオリゴノール、キュアべリーなどの抗炎症作用を持つ植物エキスを毎日外用しました。外用開始1日目と7日目にイオン導入を行いました。顔全体に光沢が出現し、白くなり、眼の下のしわ、法令線が浅くなっている(図中央)。毎日外用を行い、イオン導入を週に1回のペースで7回行った42日後にはさらに色が白くなり色素斑は薄くなり、光沢感が増加して、顔全体がリフトアップして眼の下のシワやほうれい線はさらに浅くなっています(図右)。

上の女性は20代後半で、毛穴が軽度開き正常範囲内ですが頬上部がやや赤く、皮膚の光沢も少なく透明感のある肌とは言いがたい状態です(図左)。この方にビタミンCとB群を先行して外用して、その後ビタミンA(レチノール)およびグルタチオンを数ヶ月外用しました。これを約2年行いました(図中央)。その後ビタミンABCとグルタチオンを電子穿孔とイオン導入で皮膚に導入した(図右)。導入後は色が白くなり、赤みが低下して毛穴が閉じ、肌の光沢が増加した透明感のある肌となっています。毛穴の大きさや目の下の血管性のくまやシワも外用開始前に比して大幅に低下しています。また眼の大きさも外用前より後のほうが大きくなっています。導入後、コニカミノルタの色彩色差計で測定すると明度指数は左右の鼻の横で測定すると64.8から66.5に増加し、赤み指数は14.2から12.4に低下しています。この撮影はノーメイクで同じ条件で行いました。残念ながら外用開始前の肌の状態は色彩色差計で測定していません。頸部の明度もイオン導入後は約2.2増加し、赤み指数は2.0低下しました。頸部には直接導入はしていません。

議論透明感のある肌を実現するにはいろいろな条件を改善しなければなりません。透明感のある肌を実現するという目的で私は診療をしてきませんでした。透明感のある肌にしてくださいという患者さんがいなかったからです。患者さんの訴えで多いのは 毛穴の開き そしてニキビ、赤ら顔、そしてしわやシミです。 これらの症状に対してビタミンABCやグルタチオンを使用してきました。その結果毛穴は縮小しニキビは消退して、炎症が抑制され赤みが低下してきたのですが、ビタミンABCやグルタチオンは透明感のある肌の実現にも有効でした。シミ、しわの方に対してビタミンC、トラネキサム酸やカミツレエキスを使用しても透明感のある肌が実現しました。興味深いことには、8日間の治療で透明感が出現しただけでなく、しわや色素斑の程度が大幅に改善したことです。この方には目に見えない慢性炎症が発症に関与している可能性を考慮して、オリゴノールなどの多種類の抗炎症作用を発揮する植物エキス成分を使用した。慢性炎症に伴い炎症性細胞が放出するコラゲナーゼ、エラスターゼあるいは炎症性サイトカインなどが加齢による変化としてシワ形成に関与している可能性があります。通常シミやしわは8日間という短い期間では治りません。ごく短期間で改善傾向がみられたのは、慢性炎症がこれらの症状の発生に関与しており、ビタミンABCグルタチオンや植物エキスが慢性炎症を抑制したために短期間で改善が見られたのでしょう。この方は42日後にはもっと顔全体が上がり透明感が増加しました。同じ処理をした別の方では21日で老人性色素斑が明らかに薄くなりました。これらの所見は、シミ、しわなどの加療の際にはシミしわ本来の治療に加えて、炎症老化を考慮した治療の併用が必要であることを示唆しています。このトラネキサム酸、カミツレエキスを用いた治療やビタミンABCやグルタチオンを外用、導入した方では正常範囲と思われる皮膚の赤みが消退しました。正常範囲と思われる皮膚の赤味も慢性炎症を反映しているのでしょう。常に生じている自覚症状を伴わない慢性炎症は体内のものは目に見えませんが、皮膚の慢性炎症は、いままで正常範囲内と言われてきた赤味をもたらしている可能性があるのです。正常範囲といわれている肌の赤味が、実は肌の穏やかな炎症のサインではと私は感じています。正常範囲といわれている皮膚の赤み消去を目標にして治療を行うことは、長い眼で見ると皮膚の炎症老化を抑えると確信しています。ビタミンABCの外用や導入を行う際はオリゴノールなどの抗炎症作用を持つ植物エキスも併用しました。透明感のある肌の実現がうまく言っているかどうか、皮膚科医に一番役に立つのは写真撮影で記録することです。一般の方も鏡を見て皮膚の光沢が増していたのであれば透明感が強くなってきた証拠です。ぜひスマホなどで自分の写真を撮影してみてください。実は私も最近鏡をみて皮膚の光沢が増加してきたと感じています。透明感のある肌ではストロボの反射光が強くなっています。スキンスコープはキメや毛穴の状態を観察するのに有効であり、色彩色差計はLabを測定すると明度指数(L)、赤み指数(a)、黄色指数(b)が測定できるので便利です。色が白く赤みの少ない皮膚、具体的には明度指数 約62以上、赤み指数約16以下であり、光沢があれば透明感のある肌といっていいのではと私は考えています。これらの条件を持っている方の皮膚の質感は高く、みずみずしく弾力があり、シワ、たるみなどの老化のサインはほとんど見られていません。毛穴の開いた方、ニキビや赤ら顔の方はいないというのが実感です。皮膚科医にとって、透明感のある肌とは、治療の結果生じて代謝が促進して毛穴が縮小して炎症が抑制されて肌の光沢感が増加している状態を指すのでしょう。光沢感の肌を実現するには、代謝促進、活性酸素の消去だけでなく、美白、 慢性炎症、毛穴縮小に留意したスキンケアを行う必要があります。そしてストレス解消に留意する必要があります。バランスの取れた食事、十分な睡眠も大切ですね。

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